
鞦 韆
【鑑 賞】 鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし
大正末から昭和後期にかけての俳人・三橋鷹女(みつはしたかじょ)の俳句作品。
昭和27年に発表された句集『白骨』に収められている句。
有島武郎の評論「惜みなく愛は奪う」(1920年)をふまえた作品といわれています。
以下、季語「鞦韆」の解説です。
【表 記】
(漢字) 鞦韆
(ひらがな) しゅうせん
(ローマ字) shusen
【季 節】
春
【分 類】
人事
【意味・説明】
鞦韆(しゅうせん)とは、いわゆる「ブランコ」のことです。
「秋千(しゅうせん)」や「半仙戯(はんせんぎ)」という漢字が当てられることもあります。
また、ブランコを意味する「ふらここ」や「ふらんど」なども春の季語として用いられます。
【俳句例】
※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。
返り花銹びて鞦韆ゆられけり
(石橋秀野)
腰かけ憩ふ交番うらの鞦韆に
(中村草田男)
鞦韆すずし顔が立派な獅子小像
(中村草田男)
鞦韆に腰椅子もなき冬の苑
(山口誓子)
鞦韆(ふらここ)にこぼれて見ゆる胸乳かな
(松瀬青々)
鞦韆に少女ベンチに若人ら
(岸風三楼)
鞦韆に抱き乗せて沓に接吻す
(高浜虚子)
鞦韆にみなのりてまたゆきにけり
(後藤夜半)
鞦韆の赤の足袋裏もまた赤き
(加藤秋邨)
鞦韆の影静かなり梨花の月
(正岡子規)
鞦韆の少女さらはれさうに漕ぐ
(鍵和田釉子)
鞦韆の園ひとりでの揺り返し
(鷹羽狩行)
鞦韆の十勝の子等に呼ばれ過ぐ
(加藤楸邨)
鞦韆の揺れて揺れざる恋心
(稲畑廣太郎)
鞦韆の揺れなつかしみ乗りもせず
(鷹羽狩行)
鞦韆は蒙古の遊び古かりし
(森澄雄)
鞦韆や春の山彦ほしいまま
(水原秋桜子)
鞦韆やモノラルの音セピア色
(赤座典子)
鞦韆やわがための星一つあり
(加藤楸邨)
鞦韆を下りきて僧の無言かな
(加藤楸邨)
鞦韆を漕ぐとき父も地を離る
(鷹羽狩行)
鞦韆をすてたる人とつれだちぬ
(後藤夜半)
鞦韆を父へ漕ぎ寄り母へしりぞき
(橋本多佳子)
園枯れて鞦韆をひくく垂らしける
(大野林火)
月の夜の鞦韆こころ険しくて
(加藤秋邨)
なほ焦土雪の鞦韆ひとりこぎ
(加藤秋邨)
父母恋し鞦韆にて食ふ茄玉子
(中村草田男)
冬茜鞦韆の子が目つぶりぬ
(加藤秋邨)
やたら来る子に鞦韆をからげけり
(阿部みどり女)
遊園の雪よ揺れやまぬ鞦韆に
(林翔)
【関連季語・子季語】
秋千 半仙戯
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