鰤

寒 鰤

 

【鑑 賞】 寒鰤の神のごとくに売られけり

昭和中期から平成中期にかけての俳人・平井照敏(ひらい しょうびん)の作品。

旬の産物のありがたさが伝わってくる句。

 

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以下、季語「寒鰤」の解説です。

 


【表 記】


(漢字) 寒鰤

(ひらがな) かんぶり

(ローマ字) kamburi

 


季 節


 


【分 類】


動物

 


【意味・説明】


寒鰤とは、冬の「寒(かん)」の頃にとれる鰤のことをいいます。

寒は、二十四節気の小寒から立春の前日までの約30日間です。

寒鰤は脂がのっていて、美味とされています。


Kamburi means the amberjack which can be caught at the time of kan of winter.

Kan is about 30 days from shokan of nijushisekki to the day before risshun.

Because kamburi is fatty, it is considered delicious.

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【俳句例】


※ 有名俳人の俳句を中心に集めました。

寒鰤に一句授る魚市場
(鈴木真砂女)

寒鰤にいどむ老妻血ぬらして
(山口青邨)

寒鰤の一切のみの煙上ぐ
(殿村菟絲子)

寒鰤のいづれ見劣りなかりけり
(鈴木真砂女)

寒鰤の熊野灘より到来す
(山口青邨)

寒鰤の下頤ばかり月に立つ
(加藤楸邨)

寒鰤の競る声終り夕霰
(皆川盤水)

寒鰤のどさりととどく朝の市
(荻野輝子)

寒鰤のとどく潮の色のまま
(柴田佐知子)

寒鰤の無念の目口見とれをり
(加藤秋邨)

寒鰤の目の美しさ揃へ売る
(猪狩紫水)

寒鰤は虹一筋を身にかざる
(山口青邨)

寒鰤や飛騨を越え来し塩こぼす
(中澤康人)

寒鰤をこの世のものとして食める
(石田勝彦)

塩打ちし寒鰤の肌くもりけり
(草間時彦)

寒鰤を糶るや雄声の日本海
(海野ふさ子)

手秤りの寒鰤の潮雫かな
(友岡子郷)

刃を入るるまで寒鰤の厚さ撫でてゐし
(能村登四郎)

日の柱立つ寒鰤の定置網
(神蔵器)

二三言言ひて寒鰤置いてゆく
(能村登四郎)

 


【関連季語・子季語】


  鰤網  鰤起し

 


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